台湾台風レポート
2016年9月14日、台湾南部の街高雄に滞在していた際に、私は台風の直撃を受けてしまった。海上で生まれ一切勢力を弱めず台湾に直撃した台風の勢力は、中心気圧890hpa、最大瞬間風速80m/sという驚異的なものであった。ホテルでゆっくりしてればいいものを、面白そうなので外へ飛び出したので、その時の体験を紹介したい。
撮影時刻:10時ごろ
撮影地:鳳山駅
嵐の前の静けさとはまさにこのこと。すでに上陸していたが、雨も風もまだ弱かった。駅では若干の混乱がみられた。
撮影時刻:12時ごろ
撮影地:油廠國小駅
MRTに乗り、場所を移動した。映っているのは隣の世運駅の駅舎。雨風が強くなってきたが、まだ問題ない範囲であった。
撮影時刻:12時半ごろ
撮影地:油廠國小駅
雨風が急激に強くなり、木々も倒れ始めた。タクシー以外の自動車交通はすでにほとんどなくなっていたが、こんな時でもバイクが走っているのはさすがといったところだ。
撮影時刻:13時ごろ
撮影地:油廠國小駅
雨風がにさらに強くなったがまだMRTは通常運行だった。
すでに隣の駅は見えなくなっている。音もすごく、目の前の人と会話をするのもままならない状態となり、駅員と耳元で叫びながら会話をした。
撮影地:油廠國小駅
ちなみに普段の様子はこうなっている。
撮影時刻:13時20分ごろ
撮影地:油廠國小駅
さすがにまずいと思い車両に乗り込んだが、一向に動き出さない。運転を一時見合わせますと繰り返し放送されるが、ついに運休が宣告され、車両の外に出されてしまった。雨風により、駅舎も少しずつ壊れ始めた。
MRT地上区間の運転再開見込みは17時ごろだった。何もない駅で待っててもらちが明かないのでタクシーでホテルに戻ることに。雨は斜め下から体に打ち付けられ、痛みを感じた。止まってるタクシーに声を掛けるも故障していた。別のタクシーで戻ると、倒木と冠水で3車線の道路も1車線しか通れなくなっていた。途中で泊まっていたホテルの看板が落ちてるを見つけ、改めてこの台風の恐ろしさを体感した。
ホテルに戻り、ニュースを見ると台風関連のニュースが流れていたが、まさにさなかにある高雄ではなく、どれも上陸前の台北近郊ばかりであった。ニュースに不満を感じながらも、どこにも行けないので、昼寝をすることにした。昼寝から覚めると友人から心配するLINEのメッセージが届いていた。寝ていたために、返信できなかったため安否を心配されてしまった。
翌日、台鉄の台東方面は終日運休、高雄LRTは倒木により部分運休になっていた。
倒れた木の隣を走るLRT
片側の線路を使い、一つの車両が往復していた。単線並列だからこそできる技であり、左側通行するLRTが撮影できた。
台風が過ぎ去りこの翌日の早朝、飛行機で日本へ帰国した。もし予定が一日ずれていたら帰国できなかったと思うと、ある意味運がよかった。こんな猛烈な台風を体験することは今後もないだろうと思う。ある意味貴重な体験ができてよかった。